2026年8月23日(日)、浜松市舞阪総合体育館にて「足元マスターセミナー」を開催しました。講師には福岡から株式会社ランフィット代表・小島成久先生をお迎えしました。小島先生は100kmマラソンの元日本記録保持者であり、100km世界選手権の日本代表を5回務められたランニング専門トレーナーです。「足元から身体は変わる」を信条に、ヒトの発育発達に基づいた足元・趾(あしゆび)へのアプローチを、全国で指導されています。
セミナーは「ベーシック」「アドバンス」「ブラッシュアップ」の3コース構成で行われ、当日は先着8名の受講生が朝から夕方まで、みっちりと足元のコンディショニングを学びました。
ベーシック:趾と足部の基本を知る
まず土台となるベーシックコースでは、足の形やタイプ(エジプト型・ギリシャ型・スクエア型)の違いから始まり、外反母趾や内反小趾、浮指、ハンマートゥといった趾の異常について、実際の症例写真を交えながら解説がありました。片足26個・両足で52個という足部の骨の数(全身の骨の1/4以上を占めること)や、足関節をまたぐ筋・足部だけに存在する内在筋の構造も学びました。
特徴的だったのは、足には内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチという3つのアーチがあり、それぞれ「横揺れ」「捻じれ」「前後の揺れ」を制御しているという説明です。実際に浮指テストや、片足立ち・前屈などの動作を行う前後で身体の変化を比較する「モニタリング」を通じて、足の機能低下が全身の動きに影響することを、受講生ご自身の体で実感していただきました。ベーシックでは主に横アーチにアプローチし、「こじこじボール」を使ったセルフコンディショニングの手法を習得しました。
アドバンス:内側・外側アーチと股関節の安定へ
アドバンスコースでは、ベーシックで扱った横アーチに続き、内側・外側縦アーチとそれに関連する骨格・筋肉に着目しました。特に舟状骨と立方骨という2つの骨に注目し、後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋(内側)、長腓骨筋・短腓骨筋・第三腓骨筋(外側)といった、接地時の横揺れや捻じれを制御する筋群を丁寧に解説していただきました。
ここで、シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)と扁平足の関係を扱ったショート動画が参考資料として採用されました。
舟状骨や楔状骨に停止する後脛骨筋は、内側縦アーチ、つまり土踏まずを支える主要な筋です。この筋の機能が低下すると、アーチが崩れて扁平足につながる一方、オーバーユースになるとシンスプリントの原因にもなることが知られています。足部のアーチ機能と脛の痛みが実は地続きであるという、現場で見落とされがちなつながりを、この動画で分かりやすく確認することができました。
アドバンスの後半では、フロントランジ姿勢で股関節の動揺をテストする手法や、膝が内側・外側どちらに倒れるかによってボールを当てる位置を変えるコンディショニング方法、さらに股関節の筋群への促通エクササイズまで、実践を交えて学びました。
ブラッシュアップ:足部から全身へアプローチを広げる
最後のブラッシュアップコースでは、足元マスターで培ったエクササイズの効果をさらに高めるため、足部以外の部位へのアプローチが紹介されました。足甲や足裏の筋群を掘り下げつつ、呼吸に関わる肋間筋、肩甲骨まわりの前鋸筋・鎖骨下筋・胸鎖乳突筋・肩甲挙筋、さらにローテーターカフ(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)や大円筋、菱形筋まで、身体各所の具体的なアプローチ部位が示されました。足元の土台づくりから、呼吸や上半身の安定へと視野を広げていく内容でした。
受講生の皆さんと
3コースを通じて実技中心の内容だったこともあり、会場は終始和やかな雰囲気に包まれていました。
最後はご褒美の「こじこじボール」を手に、受講生の皆さんと記念撮影を行いました。
足元マスターセミナー受講生集合写真

おわりに
今回のセミナーを通じて、足元・趾へのアプローチが単なる足のケアにとどまらず、股関節や呼吸、上半身の安定にまでつながる「土台づくり」であることを、あらためて実感する一日となりました。小島先生、遠方よりお越しいただき、また受講生の皆さん、暑い中ご参加いただき誠にありがとうございました。
今後もこうした学びの機会を継続的に企画してまいりますので、ぜひご期待ください。
